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電視布袋戲木偶

木偶について~概要~

 伝統的な戲偶(木偶人形のこと)の大きさは30cm前後。頭部は木製で、その製作過程は高度な技量を必要とする匠の技だ。人形は市販もされていて、彫刻師の腕と著名度によってその値段もピンきり。日本でいう人形作家の作品または匠の細工物と似ている。
伝統布袋戲偶
写真1 伝統的掌中戲偶
出處: Wikimedia Commons (Copyright © by Prattflora)
 時代を経ると、より繊細な表情や動作を追及して人形もだんだんと進化・大型化していく。手のひらサイズから60センチ前後、さらに90センチ前後から現在ではそれ以上の木偶が存在する。(写真5参照)
様々なサイズの木偶
写真2 様々なサイズの木偶
2006年12月(財)現代人形劇センター主催の展示/聖石伝説上映会@東京都写真美術館ホール。
右端の人形が伝統木偶サイズである。
展示されている大型木偶はRIOさん(素還真)と破魔矢(青陽子)の私偶を貸出。
偶頭や資料の展示
写真3 偶頭や資料の展示
高雄市立歴史博物館『掌中乾坤-高雄布袋戲春秋特別展』の展示
偶頭
写真4 偶頭
破魔矢私蔵の偶頭(未造形)。頭は目と口が動くよう細工されている。

 伝統戲偶は片手で操り、両手を使うと一人で同時に二体を操ることが出来る。人差し指を頭にいれ、親指と中指で両手を構成するのが基本。
近代化された大型木偶は偶頭(写真7参照)と内體、手脚(素材はプラスチックや木)、天地同(操作棒。人形の左手を動かす)から構成される。基本的な操作は同じで、片手を人形の内部に入れ左手で操作棒を操る。
上演する時は頭上に木偶を上げ、身体は舞台下に隠れるという状態なのでかなりの体力と腕力が必要となる。木偶の重さは装飾や衣装、髪の毛の量などにより大きく変わるが、1Kgは軽く超える。近年には木偶の大型化、衣装や装飾がより豪華なったこと、武器も精巧で大型化するなどより重量が嵩むことにより、1人で全て操偶することが困難な木偶も出てきた。この場合は二人で操偶することになる。

 木偶の変化は、大きさだけではない。その手足の造りもだんだんと進化してきた。早期の大型木偶の場合、伝統戯偶と同様に指が動かない形式で、脚も曲げることが出来ない造りになっていたが、表現の多様性もしくはよりリアルな動きを求められた為か、現在では5本の指や膝が曲げられるようになった。舞台での表現がより多彩になっている。

電視布袋戲偶 素還真
写真5 大型木偶の操偶実演
2009台灣布袋戲文化藝術展–霹靂藝想世界(2月5日~22日)@台北新光三越信義新天地。操偶師:丁振清
木偶頭の製作過程
写真6 木偶頭の製作過程
台湾『宜蘭傳藝中心』の展示物。ただの木片から細工を含めた木偶頭が完成するまでの各段階が紹介されている。