白蓮楼:布袋戲紹介 » 霹靂布袋戲

霹靂布袋戲

霹靂布袋戲とは

 黃文擇(台詞担当・八音才子と呼ばれる)と黃強華(編劇担当・十車書と呼ばれる)兄弟が成功させた娯楽路線の新時代『布袋戲』、それが霹靂(Pili、ピリ)シリーズだ。

 霹靂は既に20年以上続いていて、現在46シリーズ(2009年1月)、軽く1000話以上に及び、2009年現在もなお制作され続けている超級長寿番組(詳細は霹靂シリーズ一覧参照)。 武侠モノをメインディッシュに、ファンタジーの付け合せとSFの隠し味、も一つついでにホラーとスプラッター(笑)もオマケで付けちゃえ!と言ったところが全シリーズ共通の雰囲気だ。

 ドラマ中の会話は独特の言葉で繰り広げられるが、台湾語に文擇氏独自の味わいを加味(多分日常で使ったら理解してもらえない)。又、台湾語が分からない台湾人の為に北京語繁体字の字幕が付いているので日本人にとっても理解の手助けになる。

 演出や効果、媒体などが従来の伝統布袋戲とはかけ離れた霹靂布袋戲であるが、布袋戲の特色である『一人口白、雙手撐偶、木頭雕刻』は忠実に継承している。特に八音才子・黃文擇氏による台詞は霹靂にとって不可欠なもので、誰も代替することは出来ない。撮影は黃文擇氏が先に台詞を全て録音し、その声に合わせて劇を作りこむという手段がとられている。まさに『先に声あり』なのである。

高雄布袋戲春秋特別展での霹靂ジオラマ展示
写真1 霹靂のジオラマ展示
高雄市立歴史博物館『掌中乾坤-高雄布袋戲春秋特別展』にて。一人霹靂のキャラではない木偶(中心)が混ざっているのがお茶目?。
かなり主観的な霹靂紹介
 霹靂シリーズは多数のシリーズ名がついているが、実は明確に区切られておらず前のシリーズをそのまま引継いで話が展開している。
武林世界における善と悪の戦いに覇権争い。と、言い切れるほど善悪がはっきりしていない(笑)。個性的な作りの人形が所狭しと活躍する。剣戟あり、裏切りあり、陰謀有りロマンス有りの波瀾万丈の方術もこれでもか!と駆使した武侠物語。中原への侵攻を企てる他の勢力との争いがメインであるが、善悪がはっきりしていないだけでなく敵味方も明確でない事が多い。
そして人形劇と馬鹿にすること無かれ、大根役者のベタな演技よりも遥かに情感豊かに演じられているのだ。木偶人形がこれほど感情豊かに演技できるとは思いもよらなかった。
登場するキャラクターは入れ替わりが激しく、主役級でもあっさり死亡してしまう。昨今は新しいキャラクターを多数投入する傾向が見られ、名前を覚える間も無く殺されて消えていく。既にメインのキャラクターさえ覚え切れない今日この頃である…最近はストーリー作りに粗雑な傾向が見受けられるのが残念。
 『聖石伝説』に霹靂の概略が掲載されているので詳細はこちらの公式サイトを参考。

霹靂の市場展開

 1992年に「大霹靂節目綠製有限公司」が会社が設立され、2000年には「霹靂國際多媒體」と改名。製作部門、霹靂衛視(放映)部門、海外部門、周辺商品部門(巨邦國際行銷公司)、ウェブサイト経営部門(創世者網路公司)などを抱える一大組織へと変貌した。
1995年に霹靂會会員向けの霹靂月刊が発行され、1996年には霹靂の公式ウェブサイト「霹靂布袋戲網站」が成立(2000年に「E-PILI」と改名)。1996年9月には主役木偶の公式後援会や、その他非公式後援会も数多く設立された。その結果、霹靂は視聴者の好き嫌いを敏感に察知してストーリーの内容もそれに応じて柔軟に変更する手法がとられるようになる。

 周辺商品はグッズからコンピューターゲームまで多種多様を極め、様々な企業がその広告に霹靂キャラクターを起用するなど、その市場が広がった。また、もともと特殊効果や舞台などで革新的な作り方をしてきたこの霹靂シリーズであるが、特撮技術の進歩と共に映像効果も更に派手になってきてその娯楽性を高めている。

高雄布袋戲春秋特別展での霹靂商品展示
写真2 霹靂商品展示
高雄市立歴史博物館『掌中乾坤-高雄布袋戲春秋特別展』にて。(一部は史艶文の資料)

霹靂、海外への進出

 2000年1月、台湾で映画「聖石傳說」が公開、霹靂は世界市場を狙って小さなテレビ画面から銀幕へ進出した。国語吹き替え版も出されたそうだが、効果が低いので一日で取り消しとなったらしい。
霹靂、日本進出す
 日本では映画公開前にオリジナルのラジオドラマ「聖石傳説異聞 霹靂双星伝」が製作され、霹靂の本体シリーズの一部「霹靂圖騰 第9集~第11集」が日本語化されたり、その他関連イベント等も開催され、当時の状況をみると名の知れた会社が協賛メーカーとなり様々な宣伝活動を行ったようである。

霹靂シリーズのランダムイメージ  2000年10月に日本で映画「聖石傳説」が初上映(東京国際ファンタスティック映画祭)され、2002年3月日本一般公開が開始。上映終了後も何回か他の上映イベンに取り込まれて公開された。
2003年7月ケーブルテレビ「チャンネルNECO」でテレビ初登場。日本語版の聖石傳説とテレビ版「~英雄伝~(霹靂圖騰の途中の3集)」が放映されている。(日本公開前後の状況や各イベントなどは東瀛幻境の過去情報に詳しいのでそちらを参考。残念なことに掲載されているリンク先は殆どがアクセス不能だ…

霹靂はコミック? ちょっとだけドイツ進出
 2004年10月6日~10日、ドイツのフランクフルトで開催されたブックフェア2004 (Der Frankfurter Buchmesse 2004)で台湾も出展している。この時の台湾中心テーマの一つは「コミック」。そこで聖石傳説(ドイツ語タイトルは „Die Legende vom heiligen Stein“)の放映があった模様。なぜかコミック関係として聖石傳説の紹介がされたようだ。更に霹靂コスプレもあったらしい。(中華民國駐外單位聯合網站参照←ドイツ語です)
残念無念の惨敗アメリカ進出
 2006年10月カートゥーン・ネットワーク (Cartoon Network)Toonamiでテレビ放映開始。タイトルは「Wulin Warriors: Legend of the seven stars (武林戦士達:七星伝説)」これは『霹靂英雄榜之爭王記』を大幅カットして英語吹き替えにした完全な再編集(全く別物!)バージョン。すぐに打ち切りになってしまったので今では幻の作品である。全13集の予定でたったの2話放映後にキャンセルされた霹靂トンデモ版。全体がヒップホップ(ラップ)音楽、本来は口のきけない葉小釵が軽々しい若造!?(ナレーションで若者と言っている)になっている! 詳細はWikipediaのWulin Warriors項目(英語)または Toonami Fan - Wulin Warriors(英語)参照。このToonami Fan のサイトではプロモ用のYouTube映像が見られる
  1. "The Saga Begins"
  2. "The Healer"
  3. "Rainbow"
  4. "CryBaby"
  5. "The Return of Oriel"
  6. "Bright Road"
  7. "Four Point"
  8. "Willow"
  9. "The Fever"
  10. "Orb of Battle
  11. "Approach of the Seer"
  12. "Mo Kui the Merciless"
  13. "The Truth About the Healer"
  14. "The New Star"

オマケ

 海外の評判はどうであれ、地元霹靂は今尚熱い♪
布布FUN暑假活動
写真3 【布布 FUN 暑假】活動
2004年 霹靂精品加盟店で開催された。霹靂が各店を回って霹靂操偶師が実際に木偶操偶をしたり、コスプレ活動を行った。
素還真出道二十週年紀念大會
写真4 素還真出道二十週年紀念大會
2008年4月 素還真登場20周年を記念して高雄で開催されたイベント。写真は素還真の誕生ケーキを囲む素素とコスプレの皆さん。