白蓮楼:布袋戲紹介 » 布袋戲について

 『布袋戲(又は布袋戯)』は人形劇の一種で、台湾語では「ポーデヒ、ボテヒ(Poutehi・Potehi)」、北京語では「プータイシ(Budaixi)」と呼ばれる。
人形の頭部は木彫で、胴体は布から出来ており、その胴体の布の中に片手を入れて操るタイプの人形劇だ。

 発祥の地である中国では『国家級非物質文化遺産』(日本では無形文化財に相当)にも登録(『木偶戲』)されている民間伝統芸能。伝統的な30cm程度の大きさの人形の場合(写真1参照)、片手で一体を操作するので、一人で二体操れるが、滑らかな動きや感情を演出するには熟練が必要。

伝統布袋戲偶
写真1 伝統的掌中戲偶
錦五洲掌中劇團@高雄市歷史博物館 2008年10月26日上演
電視布袋戲偶 素還真
写真2 電視布袋戲偶の操偶実演(近代化した木偶)
2009台灣布袋戲文化藝術展–霹靂藝想世界(2月5日~22日)@台北新光三越信義新天地。操偶師:丁振清
 演じ方や人形の大きさは全く違うが、日本の『文楽(人形浄瑠璃)』を想像するとややイメージが近いかもしれない。
特に、大型化した近代版の電視布袋戯木偶(写真2参照)と比較すると概念的には非常に類似していると言えそうだ。
布袋戯では“口白師”が、文楽では“太夫”が登場人物の台詞の全てを担当したり、目や口を動かせる精巧な木製頭部、人形自体が芸術的作品の域に達しているということも両者の類似点と言えるだろう。

尚、現在の文楽は3人で操作する「三人遣い」だが、布袋戲は古い時代の文楽と同様に1人で操作する「一人遣い」である。

文楽人形
写真3 文楽人形
出處: Wikimedia Commons (Copyright © by Ellywa)
『艶容女舞衣』 冨田人形共遊団(滋賀県長浜市)

 一般的に「人形劇」というと、多くが子供向けである。又、「文楽」の場合はどちらかというと大人向け。それに対して台湾の『布袋戲』は老若男女を問わず楽しめる国民的な娯楽文化へと発展していった。