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金光系列紹介

前言

 『金光系列類別』で記載したように、古い時代の史艷文シリーズが放映中止になるなどの憂き目にあっており、既に過去のストーリー設定が定かではなくなっている。既述の版(第一~第五版)で言えば、それぞれの版の設定が統一されていない。 又、内容をなんとか追うことが出来るのはVCDなどの映像媒体が発売されているものだけだ。そのためここではDVDの入手が可能なシリーズを中心に紹介する。 尚、楼主も全部を見たわけではないので、紹介は聊か表面的で細切れである可能性が高いので悪しからず。

最新金光(黃立綱版)シリーズ超簡単紹介

 舞台は中原(一応の設定は中国の明時代あたり)。侠客が闊歩し、部族や国家間でそれぞれが版図を広げる為、虎視眈々とお互いに策略を巡らしているような背景。ただし、そこはそれ、普通の歴史劇ではない武侠世界、魔術あり魔物あり妖怪ありの何でもありな世界でもある(ただし、別の項目で紹介する『霹靂布袋戲』ほど奇想天外ではない)。
そのような時代に義侠心にあふれた中原の代表者である史艷文と、その息子達を中心に物語が展開する。新時代の主役である史艷文の息子達の成長物語とも言える。
 中原の他には苗疆(中國西南部の苗族)や東瀛(日本)、韃靼(蒙古族)などの国々も存在する、が、ここでも霊界や魔界、鱗族といった異世界まで普通に存在するので時代も国も実際の背景は全く無視して構わない。
 ストーリの主軸は、中原を狙ってくる侵略者(異世界とか含む)との攻防。正道と呼ばれる中原の主役側とそれに敵対する反派側が複雑に絡み合い、様々な人間(木偶?)模様を描き出す。キャラクター設定がしっかりされており、ストーリーの複線もしっかり処理されているので非常に面白い。敵役もそれぞれの物語を背負っていて、撃退されるだけの単純な役ではなく非常に魅力的だ。
 無謀なほど簡単に言うと上述のようなものだが、本当はもっと複雑なドラマが展開される。そのあたりは個別シリーズの紹介(下部にリンクあり)に譲るので、興味のある方はそちらもどうぞ。
金光シリーズのランダムイメージ

つぶやき

 このシリーズ、日本人には東瀛の西劍流(忍者集団みたいなもの)が良くも悪くも面白いと思う。西劍流のキャラクターはなんと日本語を使うのだ。ただし、聊かつたない発音と微妙な訳のせいで、大変感動的な場面で笑いそうになることも。まぁこれも一興である。
 布袋戲はなんといっても木偶の動きと面白いストーリー、台詞のうまさ(声の使い分け含む)の三点が重要だと思う。その点、金光シリーズは前の二点は申し分なし。三点目については最初の頃に比べると格段に上達しているのが素人にも分かる(って、偉そうに…失礼しました!)。
 ただ最近少々多用されているCGは木偶の動きを隠してしまう為、本来の動きを重視して欲しいと思う。
 何れにせよ着々と色々な面で進歩し続けているシリーズ、今後も楽しみに出来る超お勧めの布袋戲だ。昔からの霹靂ファンとしては聊か悲しいが、どちらを薦めるかと聞かれれば金光を薦めてしまいそう(苦笑)。